以前ブログの記事でも紹介しましたが、EnglishCentralは「アルビレックス新潟シンガポール」の選手たちの英語力向上のために、ラングリッチのアカウントを提供して勉強をして頂いています。
今回は2016年にチーム初のリーグ優勝達成に中心選手として貢献したMFの稲葉選手に、昨年1年間どのように英語を勉強されたのかや、プレー中に英語でどのようなコミュニケーションが行われているか等についてお話を伺いました。
なお、インタビューに同席して頂いた吉永監督のお話は、次回の更新でお伝えします。
左:稲葉修士選手、中央:吉永一明監督
EnglishCentral(以下、EC)
いつもラングリッチのサービスをご利用いただき、ありがとうございます。
最初から英語とは関係ない質問で恐縮ですが、やはり、お名前の「修士」さんというのは、やはりサッカーのシュートに由来しているのでしょうか?何歳ぐらいから、プロサッカー選手を目指し始めたのでしょうか?
稲葉
そうですね。父がサッカー好きで、名前をつけました。サッカーを始めたのは5歳のときです。幼稚園のサッカーチームに所属していました。
EC
昨年はチームとして初のシンガポールサッカーリーグに優勝し、史上初の4冠も達成されましたが、2016年シーズンを振り返っていかがだったでしょうか?
稲葉選手
昨年からシンガポールに来たが、最初の年からすべてのタイトルを取ることができたのは、自分のサッカー人生でも幸せだったと思う。チームとしても初めての優勝を、自分が試合に出続けて立ち会えたのは、すごく良いシーズンを過ごせたと思う。
EC
何かそこで山や谷はありましたか?
稲葉選手
4月から6月の半ばまでは10連勝していてチームとして一番勢いがあったが、そこから2連敗した時期が苦しかった。でもそこでチームとして崩れてしまい、タイトルを逃してしまっては後悔すると思い、みんなで立て直して谷を脱出できたのが大きかった。
EC
稲葉選手がアルビレックス新潟シンガポールに入団した経緯を教えてください。
稲葉選手
大学4年生のときは就職活動をしていたが、この1回しかない人生の中で後悔したくないと考えたときに、やっぱり好きなサッカーを続けたいと思いました。ちょうどそのときに、試合や練習を見た是永社長から来てほしいというオファーを頂いたのがきっかけです。
EC
シンガポールという外国でプレーをすることになって、どんな心境だったでしょうか?
稲葉選手
在学中から韓国、フランス・スペイン遠征など行っていたので、海外に行くこと自体には抵抗はなかったです。むしろ、シンガポールでプレーできることにワクワクしていました。
EC
実際にプレーをされて、どんな点でご苦労をされましたか?
稲葉選手
まずは、気候に慣れるのが大変でした。日本では最初から最後まで100%でプレーしても、90分持つような体づくりをしてきたが、シンガポールでは体力配分を考えるようになった。夜でも暑いので、ローカル選手でも70分以降に体力が落ちて走れなくなってきます。そこに合わせて動けるような体力配分など工夫をしています。
EC
アルビレックス新潟シンガポールは日本人だけで戦っていますが、相手選手とのコミュニケーションはあるのですか?
稲葉選手
試合が終わった後に、握手したり会話したりとかありますね。顔見知りになって、「あのプレーどうだった?」とかのコミュニケーションはあります。
EC
ラングリッチで1年学習をされたということですが、試合や練習の合間にどのようにして勉強をされていますか?
稲葉選手
いつも午前中で練習が終わるので、いかに時間を確保するかというよりも、空いた時間をどのように使うかで選手だけでなく人間としてのスキルや質が変わってくるので、その中で有効活用するという感じでした。
EC
毎日決まった時間にやるようにしていたとか、何か自分なりの工夫みたいなものはありましたか?
稲葉選手
漫然と学習するのではなく、この週はインプットの週、次の週はラングリッチでアウトプットの週と言うように決めて、集中して行っていました。
EC
練習終了後の時間は、どんなことをされているのですか?
稲葉選手
プールで泳いだりする以外は、基本的にずっと英語の勉強をしていました。ラングリッチ以外でも、動画配信サイトで映画を、英語音声・英語字幕にして出てきた単語を書き留めておき、映画終了後に調べたりしていました。シンガポールに来た当初は、本当に何もわからなかったので、文法を基礎から勉強したりもしました。
EC
入団される前と現在では、英語力についてどのような変化を感じますか?
稲葉選手
英語力はだいぶ上がったと思います。入団前は英語力が無いに等しかったが、いまは日常会話くらいなら問題ないです。映画を見ていても内容がわかってくるようになったし、シンガポール人の友達と遊びに行ってもコミュニケーションを取れるようになりました。
EC
ちなみに、どうやってシンガポールのお友達を作られたのですか?
稲葉選手
同期のシンガポール人チームマネージャーと一緒に外に出ると、彼が彼の友人を連れてきたりするので、そういった紹介で友達になりました。
EC
何かお勧めの学習方法はありますか?
稲葉選手
僕は映画を見るのが好きだったから、映画で学習をするというのが自分にはマッチしたと思います。やはり、興味のあることをしないと続かないと思います。
EC
逆に気を付けた方が良い点などありましたら、教えて頂けますか?
稲葉選手
学習方法をウェブなどで調べてみると、「とりあえず喋ることが大事」とか書かれていますが、何を言って良いかも何を言っているかもわからない状況で、ほとんど何もできないまま一ヶ月が過ぎてしまった。何を始めるにしても基礎が大切なので、単語や文法などしっかりインプットから始めることが重要だと思いました。
EC
ちなみに、試合中って選手たちはどんなことを話しているのでしょう?よく使われる表現などあれば、教えて頂けますでしょうか?
稲葉選手
ボールが出たときに “Ours” “Mine”というのはよく聞きます。
相手のローカルチームからは、ここ一番というところで”Focus”、という掛け声もよく聞きます。“Come on guys!”のような声もよく聞きますね。
その他、ボールをフリーで受けたとき、「前を向け」という意味の”Turn”とか、パスを受けた選手がフリーであることを知らせるために、「時間があるよ」、「相手が来ていないよ」という意味で”Time”という言葉も使います。そういう場合、日本では”Free”というところですが。
逆に、ボールを受ける選手にマークがついているときに、他の国では”Man On”という表現がよく使われるが、シンガポールではあまり使われていないですね。
EC
今後の夢やチャレンジしたいことなどあれば、教えて頂けますか?
稲葉選手
このチームがゴールじゃないと思っているので、もっともっと高いレベルでプレーしたいと思っています。海外で外国人助っ人枠として、もっと高いレベルでプレーするのが目標です。
EC
夢に向かってチャレンジしている子供たちに、何かメッセージがありましたらお願いします。
稲葉選手
常に目標をもって、努力し続ければ夢は叶うと思うので、がんばってください。
EC
本日は色々とお話を聞かせて頂き、ありがとうございました。今シーズンも連覇を目指して、頑張ってください。
プロフィール
稲葉 修土(いなば しゅうと)
□ ポジション: MF
□ 背番号: 6
□ 生年月日: 1993年6月29日
□ 身長/体重: 172cm / 66kg
□ 出身地: 大阪府
□ 経歴: ひじりSC → 大阪セントラル → 立正大学淞南高等学校 → 福岡大学
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アルビレックス新潟シンガポールとは
2004年からSLeague(シンガポールプロサッカーリーグ)に参戦、若手選手を中心とした日本人選手だけが在籍しているプロサッカークラブ。シンガポールサッカーの発展に貢献すると共に選手の国際経験の充実化を図ることを目指している。総合型スポーツクラブとして、マレーシア、ミャンマー、スペインへもサッカーを中心としたスポーツ事業を展開。
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