我々からみればすごくマイナーな表現ですが、英語マニアのあなたなら必ず知っている?この言葉・・・ “Devil’s Advocate” をご存知でしょうか?知っていたらニヤリとしましょう。
数年前、キアヌ・リーブス、アル・パチーノ主演の物議をかもした映画 Devil’s Advocate (邦題:ディアボロス)で単語自体は知っている人も多いかと思います。(この題名こそが映画の醍醐味を語っているのに、何故邦題は「ディアボロス」のようなわけのわからないRPGのような名前なのですが、それはまた別の話。)
Devil’s Advocate とは「難癖をつける者」や「わざと少数派として反対意見を言う者」という意味があります。皆さんも会議をしているときに、参加者の大半が賛成しているのにも関わらず、決まりかけている結論の穴を見つけて指摘する人を見たことがあるかもしれません。そういった人が Devil’s Advocateです。
そういった人は本当に難癖をつけているだけなのかもしれませんし、結論をより完璧にするため、正当性を確かめるために反対意見をぶつけてきているのかもしれません。 Devil’s Advocate になって組織の中でとんがっていきましょう。
日本語では「悪魔の代弁者」といい、ディベートでもよく使われるテクニックの一つでもあります。(反論がなければ議論は盛り上がりません!)
さて、そういった人が何故 “Devil’s Advocate” や「悪魔の代弁者」と言われているのかという語源は遥か昔からのローマ・カトリック教会での聖者を選択する過程に遡ります。
その役割を負った人のことを「列聖調査審問検事」と呼び、「あえて悪魔の立場に立ち、悪魔の立場から意見を言い、候補者が聖者にふさわしいかどうかを尋問する」という役割があります。(現在ローマ・カトリック教会では廃止されているようですが)
なので、Devil’s Advocate は「あえて悪魔の代弁者として意見を言う尋問検事」という意味から→「議論であえて反対意見を言う人」という意味として現在は使われるようになったわけです。いやー英語(というより言葉の語源)って面白いですね!
* ちなみに、ただの反対者は “opposer” “opponent” “anti-” などといったりします。
(Written by Gen)